MINOTAUR INST. × 二俣公一 「洋服にしても何でもバックボーンを知りたい」

 二俣公一
空間・プロダクトデザイナー 福岡と東京を拠点に空間設計を軸とする『ケース・リアル』(CASE-REAL)とプロダクトデザインに特化する『二俣スタジオ』(KOICHI FUTATSUMATA STUDIO)両主宰。1998年より自身の活動を始め、国内外でインテリア・建築から家具・プロダクトに至るまで多岐に渡るデザインを手がける。

渋谷RAYARD MIYASHITA PARKへの移転に伴いMINOTAUR INST. TOKYO新店舗の設計監修を手掛けた二俣公一。日頃からMINOTAUR INST.のアイテムを愛用する二俣は、この日も自前のTECH KNIT BIG POLOを着用して取材に応じた。そんな二俣にショップ設計監修を手掛けた際に意識したことや、MINOTAUR INST.を日頃から着用している理由などを聞いた。

「このショップもすごくニュートラルな場所が良いと思いました」

──MINOTAUR INST.の泉(栄一)さんとは古くからの知り合いだと聞いています。ショップの設計をする際に意識したことはありますか?

そうですね。泉さんとは知り合って25年ほどになります。15年前には福岡でMINOTAUR INST.の初期のお店の設計をお手伝いさせてもらいました。泉さんはニュートラルな視点を持たれているというか、いろいろなものを取り入れるキャパシティーの広さや時代をつかんで行く感覚など常に更新しながら持たれている感じがあるので、このショップもすごくニュートラルな場所が良いと思いました。いろいろなものを受け入れるためには色や素材をたくさんつぎ込むのではなく、極力シンプルな状態を作らなければいけない、そういう場所になったらと思い設計しています。

──このMIYASHITA PARKの区画を見た時の第一印象はどうでしたか?

細くて薄いなと(笑)。通路の延長のような場所だと思ったので、その通路感を大事にした方が良いと思いましたね。具体的には通路の流れをあまり止めたくない気持ちがあったので、人の動きに対して自然なアールを描く壁のラインを導き出して作ったりとか。そういうことを一番最初に意識的に行いました。

──向かいのアートギャラリー『SAI』とも繋がっているような不思議な感じが面白いです。今日、着用しているポロシャツはMINOTAUR INST.ですが、普段洋服など日常で使うものを選ぶ際の基準はありますか?

自分に必要なものかどうか。あとはその人がどういう気持ちで作っているのか、というのがよく分かるものを選びますね。だからよく分からないものでカッコいいなと思って買うことはあまりないです。僕は洋服にしても何でもそのバックボーンを知りたいので。どういう人がデザインして何を考えて作ったのか、とか。

MINOTAUR INST.は泉さんがどういう思いで作っているのかが伝わってくるアイテムだと思います。あと、今日着ている機能的なニット素材のポロシャツは通気性もあってすごく涼しいんですよ。縫い目もないし、すごく着ていて楽でなんのストレスもないです。今日はこれの白を買って帰ろうと思います(笑)。

<つづく>